兄弟間で相続争いはするなという父親の教えがありました。

祖父が死んだとき、両親は相続で苦労しました。
というのも、祖父には私の父以外に息子がいたのです。
祖父はその息子の母親と離縁したとき、その息子も一緒に母親の実家に返しました。
それ以後、その息子とは付き合いがなく、私の父も一応存在は知っているものの会ったことはないという状態だったのです。
ところが、祖父の葬式にその息子が来たのです。
彼は祖父を恨んでいました。

母親の実家でかなりの苦労をされたみたいです。
祖父はそれなりの資産家だったにもかかわらず、彼らに全くお金を渡していませんでした。
彼も息子だから、当然相続の権利はあります。
ところが祖父は面倒事を予期していたのか、生前に土地の名義書き換えや預貯金の贈与を済ませていました。
そのことを知った彼は、自分の財産の取り分をめぐって裁判を起こしたのです。
結局、相続が完了するまで五年以上かかりました。
このときのことがトラウマになったのか、私や妹は両親から「相続でもめるようなことだけはするな」と繰り返し言われてきました。
父親は亡くなる間際、病院のベッドの上でまでそのことを言っていました。
なので、父親の他界後は、父の財産を私と妹できっかり半分ずつに分けて相続しました。
相続のときのトラブルがなかったために、今でも妹とはよく行き来しています。相続をきっかけに兄弟の仲が悪くなったという話を友人からもよく聞きます。
そんなことにならなくてよかったなとつくづく思います。これも父が自分の苦労を私たちに教えてくれたからだと思っています。